仕事内容・制度

ポンパドウルは一店舗一工房制。仕事は大きく分けて、販売と製造の2種類があります。

製造の仕事

製造の仕事では、経験の中で培った判断力こそが、ポンパドウルの商品クオリティを維持するための不可欠なカギとなっています。また、工房の中での仕事でありながら、販売スタッフとのチームワークもパン職人に求められている必須なスキルなのです。

製造技術者の仕事紹介

パンは生き物。同じ生地でも毎日、気温や発酵の状態によって出来が違ってくる。製造技術者にとって、生地の状態を見極め、品質を維持するのは自分の五感が頼り。技術以外に、決まった時間どおりに大量の商品を焼きあげるスピード、そしてチームワークを大事にする協調性も求められる。工房と売り場を隔てたガラスの窓越しに見えるお客様の笑顔、そして次々と空になる陳列トレーが彼らの誇りだ。ポンパドウルの製造チーフはこのプロ集団を率いて、最高の味をどこまでも追求する。

積み重ねてきたキャリアを総合的に生かし、工房全体を動かすのがチーフの仕事。

工房には5~15人の製造技術者がいる。彼らはそれぞれ仕込み、成形、「カマ」(ペストリーの発酵~焼成)に分かれて作業にあたる。チーフは通常成型のポジションで作業しつつ、工房全体を見渡している。遅れている工程があれば手を貸す。販売からのオーダー表を確認して作業を調整する。最も心を砕くのは、毎日同じ味のパンをつくること。天候や室温を考慮して、水温や発酵時間を指示する。フランスパンのオーブン作業は熟練を要する。部下の能力を頭に入れて、経験の浅い者はサポートする。チーフに着任するのは平均して30才。積み重ねてきたキャリアを総合的に生かして工房を動かすことになる。ポンパドウルのパンのフレッシュさ、質の高さ、そして工房の生産性の高さがチーフの腕にかかっているといえよう。

頭で理解しただけではだめ。
手、目、鼻、舌……。
体全体で経験を重ねて初めて、
仕事が理解できる。

製造技術者は、新人として配属されるとまず、成形のポジションにつく。先輩たちが言葉で説明し、また実際にやってみせて指導をするが、頭で解っただけでは足りない。理解したことを自分の手に伝えることができて初めて「解った」ことになる。技術はパン生地を手で、目で、鼻で、舌で確かめながら体得していくものなのだ。自分の失敗の原因を理解し、次の作業に生かせたとき、パンづくりを好きになる。早く、きれいに、段取り良く動けるようになると自信がつく。

販売スタッフとのコミュニケーションは
必須!熱い議論が新たな商品に結びつく。

入社後約半年たつと「仕込み」のポジションに移り、その次に「カマ」、「カマ」の後は「フランスパン」と、順々に技術を習得する。同時にベッカーマイスターの資格取得にも挑戦していく。すべての工程をマスターし、自分で納得のできるパンをつくれるようになると、二番手としてチーフを補佐する立場となる。チーフの一番の仕事は、商品として売れるパンをつくることだ。だからお客様に常に接している販売スタッフとのコミュニケーションは欠かせない。マネージャーからのオーダーには100%以上応える。焼き色や形について指摘されたら、真剣に耳を傾ける。新製品のアイデアが浮かぶと意見を求める。時には熱い議論になるが、すべてはお客様のため。目指すところは一つである。

販売の仕事

ポンパドウルでは、店舗のディスプレイや商品構成は、各販売マネージャーたちの仕事。だからこそ、自分のオリジナリティをいかして、笑顔のあふれる店づくりができたときの充実感は、何にも代え難いものなのです。

販売マネージャーの仕事紹介

ポンパドウルの売場の個性は彼らがつくる。品ぞろえからディスプレイ、衛生管理、パート・アルバイトの採用にも目を配り、売上などの数値責任も負う。いわばその店舗の経営者的な役割を担っているのが販売マネージャーだ。「おいしいパン屋さん」の評判を守るために、製造チーフへ渡すオーダー(生産指示)表には細心の注意を払う。スタッフと共に接客する。お客様の反応をダイレクトに受け止めて、今日もより良い店づくりに励む。

お客様の笑顔、スタッフの笑顔……。販売マネージャーがつくる店内の雰囲気。

焼きたての香りに満ちた店内。大きな店舗では30人以上の販売スタッフが交替で働いている。パン出しやレジ打ちなどの接客業務だ。ひっきりなしに訪れる人の流れ。目当てのパンをすぐ見つける顔。いろいろなパンの前で迷うトング。焼き上がりを知らせる声があがると、そのパンにさっと伸びる手。レジでは大小さまざまなパンが素早く包装され、赤い袋に収まっていく。「ありがとうございます」スタッフたちの笑顔、そしてお客様の笑顔……。こんな、毎日当たり前のように繰り返されるポンパドウルの光景は、製造チーフと共に店舗のリーダーである販売マネージャーの尽力なしには成り立たない。

最も重要な、商品の構成を考える仕事。予測どおりに商品が売れたときの充実感は何ものにも代え難い。

マネージャーには早くて入社後3~5年で着任する。業務の中で最も重要なのが、3日後のオーダー表(生産指示)の作成である。この1枚の紙で工房が動き、売上が決まる。責任の重い作業なのにどのマネージャーも嬉々として取り組む。なぜならオリジナリティを発揮できる仕事だから。過去のデータはもちろん参考にする。店舗の立地条件、曜日、天候など考慮すべき点はたくさんある。だが最終的にものを言うのは、経験や勘といった自分だけの「感受性」なのだ。例えば雪の予報が出たとする。過去のデータでは雪の当日は売上が減り、その前後2日に増える。さて、これをどうオーダーに反映させるか。はじき出した予測どおりに商品を見事売り切ったときほど、充実感を覚えることはない。

地道な努力と豊かな感受性を生かしたアイデア。それが、売上アップの秘訣。

マネージャーの「感受性」はあらゆる場面で必要となる。工房から焼き上がってきたパンはお客様の目でチェックする。少し変えただけで、驚くほど売れ方が違ってくる陳列方法に気を配る。スタッフ一人一人の技術の習熟度も頭に入れた上で、全員が気持ち良く働けるようローテーションは念入りに取り組む。自ら先頭に立って接客をしながらもマネージャーの目は売り場の隅々まで行き届いている。お客様が喜んでご来店くださる店づくりのために。地道な努力だが、続ければ数字は後からついてくる。

お客様にもっと喜んでいただくために。スタッフと一緒に、毎日が勉強。

焼きたてパンの温かさに歓声をあげられる方、包装の手早さを褒めてくださる方、毎日顔を見せてくださる方、マネージャーはそんなお客様とのふれあいをとても大事にしている。もっともっとポンパドウルのファンを増やしたい。それには、接客マナーに気をつけよう、質問されたときのために商品知識も増やそう。ディスプレイの勉強をし、会話のセンスも磨こう。課題は膨らむ。でも心配はいらない。一人で抱え込むことはないのだから。製造と販売、すべてのスタッフとコミュニケーションを取って理想の店づくりを目指す。正解はないのかもしれない。そこが面白い。

教育研修制度・能力開発

ポンパドウルの教育・研修制度で最も特徴的なのが、 ベッカーマイスター・チャレンジ制度(製造技術資格取得制度)。パンづくりは本当に奥の深いもの。製造スタッフは、ベッカーマイスター初級・中級・上級へと進むために、 10年以上の年月をかけて幾度となくチャレンジし続けます。また販売スタッフはブーランジェリー・コンシェルジュ(販売技術資格取得制度)を受験し、 接客の基本からホスピタリティの精神を学ぶ機会を設けています。こうした技術研修を通じて、製造スタッフは工房の責任者である製造チーフへ、 販売スタッフは店舗の責任者である販売マネージャーへのキャリアアップが明確に用意されていることも従業員が活き活きと働くことが出来る理由なのです。

能力開発システム

それぞれの教育の目的が体系づけられ、相互に関連を持っているのが特徴です。

OJT推進

  • AD面接
  • コミュニケーションカードなど

自己啓発

  • 通信講座援助
  • 自社作成動画マニュアルなど

補足機能

  • 人事トータルシステム
  • 研修センター
  • OJTトレーナー養成
  • 製パン技術資格制度 など

集合研修

階層別
管理者・初任管理者など
中堅・中堅社員など
初任・新人導入など
職種別
製造・ポジション別など
販売・接客マナーなど
店舗別
オープニング・セミナー

能力開発システムの事例

製造、販売それぞれ独自の能力開発システムの一例です。

ベッカーマイスター(製造)

ベッカーマイスターとはドイツ語で「パンづくりの親方」という意味ですが、ポンパドウルでは、製造技術の資格取得者を指します。

一定年数の経験を積み、上司に推薦されたものだけが受験できる「製パン技術資格制度=ベッカーマイスター・チャレンジシステム」。数あるポンパドウルの能力開発システムの中でも特筆すべきものです。既存の公的資格とは一線を画し、純粋に社内の製パン技術向上を目的として導入されました。

製造技術者たちがこの検定試験を目標として技術を磨くことで、自らはキャリアアップでき、店舗全体では商品の高品質が維持される。人材を大切に育てて企業を発展させていくという、ポンパドウルの基本姿勢が表れています。

ブーランジェリー・コンシェルジュ(販売)

ポンパドウルの販売員は「ブーランジェリー・コンシェルジュ」の社内資格取得を目指しています。パンに対して豊富な知識を持ち、美味しさを演出するディスプレイにこだわり、そしてお客様一人ひとりに合わせた最高の接客をする。それがコンシェルジュの役目です。

販売課の新入社員は、まず、接客販売のエキスパートであるマナートレーナーに研修で指導を受けます。ポンパドウルの接客は、明るく元気、が基本。そのために腹式呼吸から挨拶、電話応対、パンの包装などを指導されます。その後配属先で経験を積んだ後、資格検定に挑戦し、一人前のコンシェルジュ、そしてマネージャーへと成長していきます。

ブーランジェリー・コンシェルジュの個性と戦略を反映した、オリジナリティのある店。ポンパドウルの販売とは、スタッフ全員による、堅固だけれど訪れる人にとって居心地のよい家づくり、と形容できるかもしれません。

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